GRAPE REPUBLIC は、イタリアレストランを展開する「サローネグループ」のゼネラルマネージャーを務める藤巻一臣さんが立ち上げたワイナリーです。ワイナリーの名前「GRAPE REPUBLIC(=ブドウ共和国)」には、ブドウ作りに適した土地でありながら耕作放棄地が目立つようになってきた山形県南陽市を、新規就農者や新たなワイナリーが集まりアグリツーリズムなどを展開する一大ワイン産地としたいという藤巻さんの思いが詰まっています。

藤巻さんは2011年東日本大震災後の東北での炊き出しをきっかけに、サローネグループ代表取締役の平高行氏の実家である山形県南陽市のブドウ農家を訪れる機会が何度かあり、東北支援の思いや不思議な縁によってこの地への移住、ワイン造りへと突き進んでいきます。

2014年に移住すると委託醸造から始め、翌年からワイナリーの建設を始めます。2017年にワイナリーが完成すると独自のワイン醸造をスタートさせます。

ワイン造りを始めた当時、50歳だった藤巻さんは少しでも多く醸造の経験を積めるよう、季節が逆の南半球でのワイン造りに目を向けます。南半球のナチュラルワインメーカー、ニュージーランドのDON&Kindelli(ドン・アンド・キンデリ)のアレックス・クレイグヘッド氏に醸造修業を申し出て、1ヶ月ほどの修行に出ます。世界的にも有名な醸造家であるクレイグヘッド氏からナチュラルワイン造りを学び、そして2019年にはクレイグヘッド氏の元で修業をしていた人物、矢野陽之さんを醸造責任者としてGPARE REPUBLICに迎えます。

また、2017年9月末に完成した醸造施設にはスペインから直輸入したアンフォラを17基も備えています。アンフォラとは、収穫したブドウを除梗機で実と枝に分けたあと、足で踏むことにより破砕したものをこの土器に保存し、別の菌に冒されないよう、二酸化炭素のガスとともに密閉するだけで、自ら発酵してワインができるという、8000年ほど前から存在するワイン製造方法に使われる陶器製の醸造瓶のことです。大量生産のワインではなく、自然環境や体に優しいナチュラルワインが注目を集めるようになり、近年になってアンフォラも見直され、復活を遂げたのです。GRAPE REPUBLICではステンレスなどのタンクも併用していますが、基本的にはアンフォラを使用しています。「ブドウそのものよりブドウっぽい」と言われるワインの味はこのアンフォラの力も大きいのです。

GRAPE REPUBLICは、ブドウの病気を防ぐためのボルドー液とビニールの屋根を使っているだけです。除草剤や殺虫剤をはじめとする農薬、肥料や酸化防止剤、補糖や補酸、ジベレリン処理も施さず作られる、質の高いブドウのみを原料とし、天然の酵母のみを使い、余分なものは一切加えず、堂々と“Made of 100% Grapes”と言えるナチュラルワインを作っています。

GRAPE REPUBLICのワインは、味と品質、自然さだけでなく、ワインの中身の美しさとラベルの鮮やかさにイタリアのスタイリッシュさを持ち、イタリアンレストランを展開してきた藤巻さんの強いこだわりを感じさせてくれます。

GRAPE REPUBLICのワイン